夫の足

子なし主婦
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夜、寝室に入っていくと夫が眠っていた。
ふと見ると夫の足が布団から少し飛び出していた。

私はその足をじっと見つめた。

とても悲しくなった。切なくなった。

上手く説明するのが難しい。
この人と暮らした長い年月を感じた。無防備な夫の足を見ていると、無性に夫が可哀想に思えた。

40代になり、最近は老後の事を考えるようにもなった。
夫はこのまま老人になり死んでいくだけ、夫の人生は幸せだと言えるのか?
私と結婚して夫は大きな幸せを一つ失ったと思うと申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

* * * * * * * * * * * * * * 


先日夫婦で出かけた時に、偶然夫の知人と会った。
その知人も夫婦で来ていて、隣には妻らしき人が寄り添っていた。

彼等も私達と同年代で、子供がいない。
ずっと何年も不妊治療をしていると以前聞いたが、今はどうなのか知らなかった。

「お久しぶりですね」

互いに簡単な近況報告をしたが、子供の事については触れずに別れた。

彼等の後ろ姿を見送っていると、隣にいた夫が言った。

「奥さん、妊娠しているのかな?」





それは私も思った事だった。
以前会った時よりも奥さんが随分ふっくらしていたからだ。それも気のせいかお腹周りが特に。

「さぁ……ただの中年太りかも」と私は言った。

すると夫は言った。

「もし妊娠していたとしても、この年齢だと今更羨ましいとは思わないけどね」

まさに昨日の記事で私が書いたのと似たような言葉。
だが私は夫の言葉が胸に刺さった。

私自身も同じように思っているが、夫がそれを言うと、なぜか悲しい気分がした。

今更羨ましいとは思わない」

じゃあ今更じゃなかったら?
もっと若ければ羨ましかったよね?

私の前では決して言わない夫の本音。
この人はやはり子供が欲しかったのね……と思った。


いくら人生そればかりではないと言っても、やはり子供がいるのといないのでは人生が全く違う。
私自身はある意味自業自得なので納得するしかないが、夫には別の人生があったのではないかと思う。

そんな事を思いながら見る夫の足。
きっとこれからもずっと、私は心のどこかでそれを思い続けるのだろうと思う。




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