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責任

2017/10/28 Sat 09:41

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犬の散歩中に会う男性がいる。

年齢は50代半ば。
最初の頃は会えば会釈する程度であったが、犬同士の気が合うのか、お互いの連れている犬が近寄ろうとする為、いつの頃からか自然と飼い主同士も会話するようになった。

といっても全て犬の話。犬の性格や健康状態。どこの病院、どこのトリマーに通っているか?等々。そして時々うちの子自慢。そんな会話の中でお互いの犬に対する愛情を感じられ、私にとっては楽しい瞬間だった。
犬の散歩中には他に多くの人とすれ違うが、全ての人と会話する訳ではない。ほとんどの人とは無言ですれ違う。だがこの男性はなぜか話しやすかった。

私は職場でも近所でも、やはり男性の方が気を使わずに話せるようだ。

それが、少し前からその男性と犬を見かけなくなった。
1週間、2週間と会わなくなると、悪い想像をしてしまう。
もしかして犬に何か?それとも飼い主に何かあったのだろうか?いやいや、単に引越しされたのかもしれないし……。

2週間以上見かけない日が続くと、きっとこのまま会う事はないだろうと思った。

それからしばらくしたある日、私がいつもの様に犬を連れて散歩していると、見知らぬ車にクラクションを鳴らされた。
振り返ると、その車の窓が開き、「こんにちは」と声をかけられたのだが、何とその声の主はあの男性だった。

「あ!」

私が驚きの声をあげると、男性が言った。

「うちの犬、亡くなったんですよ。だから散歩に行く事もなくなってしまって」


やはりそうだったか。他人の犬ではあるが、悲しい。あれだけ可愛がっていた様子を知っているだけに、明るくその事実を話そうとしている様子が痛々しく感じる。

男性は車を停車し、わざわざ降りてきてくれた。

「妻はショックで毎日泣いていてね。僕も仕事中にアイツ(犬)の事ばかり考えてしまって、ハハハッ」と、男性は取って付けたように笑った。

何と言っていいのか分からない。ただ私は、

「分かります、分かります……」と繰り返した。

男性は言った。
「もう犬は……というかペットはこれで最後だと思っていたので今後は飼わないつもりです」

その男性に子供がいるのかどうか知らない。
だが以前からお互いによく話した。
ペットを飼うという事は責任がある。自分の年齢とペットの年齢を考え、ペットの最期を看取れる自信がなければ飼えない。

特に私達夫婦のように子供がいない場合、「万が一何かあれば子供にペットを引き取ってもらう」という甘えもあり得ない。

老後、今以上に孤独になるだろう。もし夫に先立たれれば、よりペットを飼いたくなるだろう。
だがそんな年齢だからこそペットを飼う事は難しいと思うと、この先が本当に寂しい。

愛犬を膝の上に抱き考えた。
この子がいなくなる生活なんて……耐えられるのだろうか。

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