あたたかい夜



「今日は生理がきたよ」と、昨日夫に報告した。

もう当たり前のように予測できていた事だ。
夫はその結果にはふれず、「ふーん。体調大丈夫?」と、いつも生理痛がキツイ私に気遣う言葉を言ってくれた。

でもその言葉はどこか上の空で、顔には悲しい表情が浮かんでいた。
私は「ふふっ」と思わず笑い、「顔に出るなぁ」と夫の背中を叩いた。

夫も、「まぁね、そりゃね」と笑いながら、「でも、出来てたよって言われてもそれはそれで、困ったなーって思うんだけどね」と、いつもと同じような事を言い、それ以上はもう二人とも何も言わなかった。


そして夕食後、夫がPCで音楽を聴いていた。
最近夫がハマッている女性歌手だ。
TVで見た事がないし、マイナーすぎて誰も知らないような歌手なのだが、夫はこの数カ月、毎晩その歌手の歌を聴きながら眠りにつく。

イヤホンなどを使っている事が多いので、どんな音楽かはよく知らないが、夫は「良いよー、ころりにも聴いてほしいのに」とずっと言っていた。

昨日も、夫の横で私がボーっとその様子を眺めていると、「ほら、ころりも一曲でいいから聞いてみなよ」と、私にも曲が聞こえるようにイヤホンをはずした。

奇麗で繊細で可愛らしい歌声だった。
だが、線が細すぎて印象のない曲だった。
それを夫に言うと、「それがいいんだよ。癒されるんだよ」と力説。



「ずっと聴いてるとこの良さが分かってくるから」と言いながら、二人でまだ出しているコタツに潜り込んだまま、静かにその繊細な曲を聴いた。
確かにずっと聴いていると、夫の「癒される」というのが分かる気がした。

しばらくして、他の人の曲も聴こうと言い出した夫は、次々と曲を選びだした。

そして、

「これ10年程前によく聴いてたなぁ」
「そうだね、これなんて20年以上前じゃない?」

と、どんどん二人の記憶がタイムスリップし、しばらく会話が盛り上がった。私達夫婦は出会ってから長いので、曲とともにその頃の思い出も共有している。
夫はとても嬉しそうに思い出話をし、その顔を見ていると私も嬉しかった。

ふと、この夫がいてくれて良かった、と思った。

貧乏だし、気は小さいし、取り柄もない。私と喧嘩になる事も度々ある。

でもこうしてコタツに潜り込みながら、静かに二人で曲を聴く幸せがある。そういう夫婦でいられるのも、この夫だからではないかと思う。

そうして二人で曲を聴いていると、やきもちを妬いたのか、愛犬が二人の間に割り込んで膝に上がってきた。
私達は笑いながら、二人で愛犬を抱っこした。

すごく温かい気持ちになった。






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Posted byころり

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