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私は思っていないけど

2017/06/08 Thu 20:47

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実家に行ってきた。
行きたくはないが、しばらく帰っていない為、そろそろ顔を見せるのが娘の義務だと思い、憂鬱な気分で実家の門を開けた。

母は嬉しそうに私を迎えた。
しばらく当たり障りのない会話をしていたが、母が、

「それであちらのお母様の体調はどうなの?」と聞いてきた。

夫の母が最近体調が悪いと言ってくる事。
子供がいない私達が介護、同居するのが当然だと言っている事。

少し前に実家の母と電話で話した時、それとなくそれらを伝えた。

姑の愚痴は実家の母に言うべきか?言わざるべきか?
答えはきっと後者なのだろうが、私にとって姑への不満や愚痴は、母以外に言える人がいない。

いつも悩みを聞いてくれる夫は、この件ばかりは味方ではない。
それどころか、姑への不満を言う私を悪く思い始め、私と夫の間に溝が出来てしまう。

誰にも言えず愚痴がたまってくると、つい実家の母からの問いかけに、ポロリとこぼしてしまうのだ。我ながらこの弱さがあるからいつまでも実家の母から自立出来ないのだろうと思う。

姑は相変わらずだと答えると、母は「大変ねぇ……」と顔を歪めた。
だが母は、姑を全面否定はしない。私に、嫁いだ先の親も大切に出来る娘であって欲しいのだ。


人に優しく出来ると、自分も幸せになれる。

そんな哲学的な会話が始まる。

そして母は言った。

「私はころりに介護してもらおうなんて全く思っていないのよ」

さらに続けた。

「でもね、そう思ってるって事を友人に話すと、みんな言うの」

「ころりちゃんなら絶対お母さんを放っておく訳ないわ。きっと先方の親も実家の親も、どちらの介護も引き受けてくれるわよ」って。

母は嬉しそうに言った。

「ころりは昔からみんなに優しい、優しいって言われてるものね」

私は先手を打たれたような気分になった。
母は自分の介護をして欲しいなんて一言も言わない。だがこんな風に遠まわしに、結局私に介護して欲しいのではないか?と思わせる。

率直な夫の親。
歪んだ私の親。

どちらも重い。


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