別世界




――前回の続き。

過去記事を読んでいると、そのブログを始めたのは娘が小学校3年生ぐらいの時のようだった。
まだまだあどけない娘が可愛い顔をして笑っている。

「お父さん大好き」

そう書かれたバレンタインチョコを貰った事を嬉しそうに綴る記事。
娘が水泳教室の試合で負けてしまい、悔し涙を浮かべる様子を悔しそうに綴る記事。
修学旅行の日、ほんの少しの間娘がいなくなるだけで、家がとても広く感じたと綴る記事。

どれも微笑ましく、「お父さんだなぁ」と別世界を見る目で私は読んでいた。


娘が中学に入り、アイドル歌手に夢中になる。
娘が行きたいと言うジャニースのコンサートに一緒に出向き、女子中学生に囲まれながらキラキラのうちわを持たされて、「早く終わってくれ~」と内心叫びました、という記事を読んだ時には思わず笑ってしまった。

娘の反抗期が始まり、時々喧嘩もするが言葉の全てに愛情を感じる。泣いたり笑ったり、生活が娘中心で動いている。


ここまでの間、もちろん妻も一緒に登場する。
妻は専業主婦らしく、謙虚で優しい母親のようだ。父と娘が喧嘩したりじゃれ合ったりしている時、近くで嬉しそうにニコニコしているような人で、男性は「この妻で良かった」とブログで惚気ている程。

「お母さんいつもありがとう」

そう書かれたケーキを母の日に父と娘から贈り、母が照れくさそうに笑っていた。


そして娘は高校生に。
受験に合格した時には男性も妻も大喜びし、読んでいる私まで「良かったね」と自然と笑顔になっていた。

あれ?いつの間にか私はこの家族に感情移入している。
ずっと娘が子供の頃から読んだせいか、この家族がすごく身近に感じるようになってしまった。
写真が多くあり過ぎるからかもしれない。目を閉じても顔がハッキリ浮かぶぐらい全員の顔を覚えてしまっている。もし道ですれ違ったら「あ!」と声を上げてしまいそうだ。

私は最新の記事まで読み終わり、つくづく思った。

子供がいる人の生活は私達とは全く違う。
もちろんそれはとっくに分かっていた事。当たり前の事だ。だけどこうして文章と写真で年数を経ていく姿を長時間見ていると、まるで自分がその中に入っているような錯覚になり、読み終わった時になぜか喪失感があった。

今更子供が欲しいとか、いなくて辛いとかは思わないが、子供がいる人生は充実して見える。卑屈になって言っている訳ではない。ただ私の生活の一週間分が、彼らの一日分のように感じた。私が何てことのない日々を過ごしている間、彼らは色んな出来事を体験している。やはり子供を育てるという事はそれだけ親を成長させてくれるのだろう。それを見ていて思った。

同じ人生を過ごすなら、そんな経験をしてみたかった。

他人のブログを覗き見し、すぐそこに住む人だからこそリアルに自分との違いを実感した。いつもは忘れている、忘れようとしていたその事実を。





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Posted byころり

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