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昨日の夜、21時頃だっただろうか。
近くのスーパーまで足りないものを買いに行こうと車で出かけた。

スーパーのすぐ近くの道路に着いた頃、車道を一匹の犬がウロウロしていた。
このあたりはまだこの時間でも車の量が多く、ビュンビュンと飛ばす車の横を
犬が今にも車にひかれそうになりながら歩いている。

私はおもわず「わ!危ない!」「そっちに飛び出したらダメ!」と一人車内で叫んでいた。
犬は一瞬もジッとしておらず、何かを探しているかのように、その一帯のエリアを行ったり来たりして常に車道をウロウロしていた。

私は慌ててスーパーの駐車場に車を停め、その犬のいる場所まで走った。
居ても立ってもいられなかった。
人間相手には距離をとってしまう私だが、なぜか犬や猫の事となると感情的になる。

犬は怯えていて、私が近づくと逃げるし、それがそれ程広くない車道での事だから、
間違って少し横に逃げてしまえば車に撥ねられるような状態だった。

私は犬を刺激せず、すぐ横の空き地まで誘導したが、それでも犬は少ししたら車道に戻ってしまった。

危険すぎる。どうしよう。
胸がドキドキして息苦しくなった。

見たところ、首輪をしているので飼い犬だったようだ。
とりあえずどこか安全な場所に移動させて、迷子犬の広告に載せる、里親募集をする、
そうしようか、でも安全な場所って?うちの家に連れて行く?どうやって?
連れて帰ったとしても居させる場所がない・・・

そんな事が頭をグルグル回ってるうちにも、目の前で犬が車の間をすり抜けて歩いているので
どうにかせねばと気ばかりが焦り、私にはそれ以上一人で決める勇気がなかった。

私は後ろ髪をひかれながら、大急ぎで自宅に引き返した。夫に相談したかった。
夫に説明すると、想像どおり、
「そんなのどうしようもないよ。うちには連れてこられないし、どうせうちでは飼えないでしょ?」と
渋い顔をした。

「飼い主も出てこず里親も決まらなかったらどうするの?最終的に自分が飼う意思がない限り、中途半端な情は逆に罪だ」とも言った。「どうしようもなくなったら、保健所にお前は連れて行けるのか?」と聞かれた。


でも今にも撥ねられそうなんだよ?
無責任かもしれないけど、とりあえず安全な場所に連れて行きたくない?
ご飯だけでもあげたくない?

私は訴えた。
この辺りが本当に私の欠点だと思う。
そう思うのなら夫に頼らず、自分一人でもすればいいのに、夫にも同意して協力を求めてしまう。
昔からもそうだが、鬱になった頃からは特に、自分一人で決断して行動するという事に弱くなった。

そして、夫は納得していないようだったが「仕方ないなぁ!」と怒りながらも、
とりあえずドッグフードをあげに行くだけだ、と念を押しつつ一緒に犬の所に行ってくれた。


ビュンビュンと車が走る車道で、その犬はまだウロウロしていた。
よける車もあれば、慌てて急ブレーキをふんでいる人もいて、本当にいつ撥ねられてもおかしくない。

近くにある駐車場からドッグフードを片手に持って呼び寄せると、犬はこちらの方まで恐る恐る近寄ってきた。

そしてフードを皿に入れた瞬間のがっつき様からすると、随分食べていなかったのだろう。
体もかなり痩せ細っている。全身汚れているし、皮膚の様子からするともしかして病気になっているかもしれない。
犬は水もガブガブと大量に飲んだ。どれ程長い間満たされていなかったのだろう。


一緒にいた夫も、いざ目の前にするとやはり少しは情も出てしまうのか、困ったなーという表情をしつつ、犬に水のおかわりをあげていた。

が、やはり連れて帰る事は出来ない。
正確には連れて帰る勇気がなかった。

そのまま、私達は犬を残して家に帰った。
昨日の夜は5月だというのにとても寒く、私は温かいお風呂に入りながら、震えている犬を思い浮かべ、心にドーンと重石が入ったかのように、息苦しかった。


翌日、私達夫婦は出掛ける予定があったので、ちょうどその車道を通る事になった。
私はもしまだいたら・・・と思い、またフードや水を用意していた。

その犬は、昨日別れた駐車場にまだいた。
ただ、昨日はあれ程ウロウロと落ち着きなく歩きまわっていたのに、
隅の方でペタンと横たわっていた。

嫌な予感がした。
近寄って、フードを持って呼び寄せるとやはり・・・・足を引きずっている。
歩くのが辛そうに、ヨタ、ヨタ、とゆっくり近寄ってきた。

撥ねられたんだ。

もう、どうして、何もしてあげなかったのか、今も何もしてあげないのか、言葉では言い表せない感情で押しつぶされそうになった。

夫は来た時から、自分はもう見たくないと言い、すぐ近くに停めた車で待っていた。
私は夫に「撥ねられたみたいだよ」と言いに行ったが、やはり夫は「可哀想だけど仕方がない」と言い、
犬を見に行こうとせず、私が「やっぱり連れて帰ろう」と言うと、
「だから、その後どうするの!?」とイライラした口調で「無理だろ!」と言った。
俺だけじゃない、ホラ、みんなだって気付いていても通り過ぎてるじゃないか、と。

みんななんて関係ない!
自分の愛犬はあれ程可愛がるのに、他の犬には冷たすぎるんじゃないの!?
先々の事まで分からないけど、出会ってしまったんだから今出来る事をしてあげたいのはそんなに悪いのか?と、その場で夫と口論になったが、夫の機嫌は悪くなる一方で、もうこれ以上は会話も無理なようだった。

自分の理想を夫に押し付けてしまっていると分かっていた。
何より、私一人で何とかするわ!と強く言えない私が悪いのだ。

その後、犬にフードをあげながらその様子を眺めていると、一人の女性が目の前を通り過ぎつつ私と目があった。

「その犬、昨日からいるよね」と女性は言った。

「え?私も昨日の夜に気付いたんです」

と、そのままその女性と会話する事となり、どうやらその女性は目の前にあるショップの経営者らしく、昨日の昼頃から犬に気付いていたらしい。
そして私が「今朝来てみたら様子が変で、車に撥ねられたみたいなんです」と言うと、その女性は驚きつつ、
「ちょっともう一人呼んでくるわ。隣のクリーニング店の定員さんも昨日から気にしてたから」と言って立ち去った。

しばらくして、クリーニング定員を連れて女性が戻ってきた。
そのクリーニング定員さんは本当に犬好きオーラが出ていて、「本当ならこの子を連れて帰ってあげたいところだけど、ちょうど明日、新しく犬を迎える事が決まっているからねぇ・・・」と残念そうに言った。

その後もその女性達と私の三人で、どうしようか・・・と話していたが、誰も決断する事も行動する事も出来なかった。

私達の地域の保健所では、預かり期間が数日程度で殺傷処分される。
愛護センターも同じで、噛み癖のある子、飼い辛い子などは選別され、譲渡会に出される子はごく一部らしい。
この犬も不安感があるからだろうが、手を出そうとすると噛むので、その辺りをどう判断されるのか・・・。
それを考えると、軽々しく愛護センターなどに電話出来ない。
やはり一般の方に保護してもらい、ゆっくり里親を募集するのが一番なのだが・・・私達には自宅で保護するのが難しいというのが現状だった。

ただ、クリーニング定員さんが迷いつつも、
「とりあえず警察か保健所に言って、飼い主や里親なりを探してもらって、それでもみつからなかったら私が飼おうか」と言ってくれていた。
でも今すぐ電話しようという話にもならなかったので、やはり迷いもあるし相談すべき相手もいるだろう。


結局お互い、とりあえず一度帰宅する事となった。
不幸な事だが犬は足が痛そうなので、前日のようにウロウロ歩きまわろうとしない。昨日よりは危険度が下がったともいえる。
私はまた後で見に来ますと言い、その女性も毎日仕事でその場所に来るのでどうするか考えつつ気にかけてくれる様だった。

やはりこのまま、また犬を置き去りのするのかと思うと心は重かったが、
正直なところ、私は彼女達と話せた事で少し気持ちが落ち着いた。
同じ想いで会話できる人がいた事で心が救われたのだろう。
何も解決していないのだから、それは単なる自己満足で偽善なのに。

一応、夫にも彼女達との会話を説明すると、
「そうか、きっとその人達が何とかしてくれるよ。うん、絶対そうだよ」と自分と私に言い聞かせるように言った。
私もそう思いたい、そう思うとしている自分がいた。そう思う方が楽だから。

でも実際は、彼女達だって私と同じかもしれない。
「きっとあの人が何とか考えてくれるんじゃない?フード持ってきてたぐらいだし」なんて言ってるかもしれない。
お互いが責任を分け合う事で、肩の荷が下りた・・・そう自分に都合よく解釈しているだけな気もする。


そしてその日の夜、また私はこっそり犬の場所に出かけた。
もう夫には言えなかった。

水と食べ物だけあげて帰ろう、明日の朝には彼女達も来てくれるといいんだけど・・・
そう思いながら犬がいた駐車場に行くと、
そこはガラーンとして犬はもういなくなっていた。

どうしたんだろう?

咄嗟に、彼女達でない他の近所の人に、保健所に連絡されてしまったか?と思った。
食料品店が多く並ぶこの地域で、良く思わない人の方が多いだろう事も気付いていた。

でももしかして、あの後クリーニング定員さんが決心して連れて帰ってくれているかもしれない。
そんな低い可能性さえも、無理やりそう思おうとしながら、心は闇のまま帰宅した。

結局私は騒いでいただけで何も出来なかった。
自分が幼い子供の頃は、頻繁に捨て猫や野良犬を連れて帰っては親に呆れられていた。
でもそこに迷いや不安はなかった。
たった一人でも世話をし、広告を作り、里親を見つけ出していた。
なのに今はこれ程心が揺れるのに、行動に移すことが出来ない。

当分あの道路を通りたくない。
あの犬の顔を忘れられないから。

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