recent entry
09/20 (Wed)   置いてけぼり
09/18 (Mon)   号泣
09/14 (Thu)   葛藤
09/10 (Sun)   理解者
08/26 (Sat)   終わった人


老いる不安

2017/07/23 Sun 22:37

スポンサーリンク



――――――――前回の続き。


痛む腹を押さえながら、ネットで検索する。
「胃腸科、休日、夜間、診察」

まだ外は明るい時間だったが、多くの病院は診察時間外だった。

何件か電話し、ようやく繋がったところに今から行く事を伝え、診察をお願いした。車で30分程の距離。

今から思えばたとえ一人で行くにしても、それは当然タクシーを使うべきだった。
だが私は何も考えず、自分の車を運転して行ってしまった。


家を出てからもその痛みは全く治まらず、グーッ!と刺すような痛みがきたと思ったら、しばらく痛みが引く、その繰り返し。
そうしてしばらくすると、痛みが引いた瞬間に、物凄い眠気が襲ってきた。どうにもならないぐらい眠い。

だが再び痛みが刺し込むと、ハッと意識を取り戻す。
それでも私は車を停車するでもなく、ひたすら目的地を目指した。あと少し、あと少しと手に汗を握りながら。

今思うと本当に恐ろしい。
いつどんな事故を起こしていても不思議ではなかった。
あんな状態で自分一人で何とかなると思う事が間違っている。他人に迷惑をかけたくないと思った事で、結果的にもっと恐ろしい事故で見知らぬ人に迷惑をかけるところだった。

それでも今回は何とか無事病院に到着する事が出来た。

病院の中に入るとすごい人。かなり混んでいる。
この時間に診察している病院が少ないからか、皆この病院に集中してしまっているようだ。

私は電話で事前に連絡していたから、多少は診察時間を前後してくれるかと思ったが、全くそんな事はなく、1時間程待合でひたすら痛みに耐えた。


ようやく自分の名前が呼ばれ、診察室に入った瞬間、真っ先に私は言った。

「我慢出来ない程痛いのです!とりあえず痛み止めを打ってもらえませんか?」

ずっと昔、胃か腸が痛くなった時、痛み止めの注射をしてもらった記憶があったのだ。確かその時は、その注射をすれば一瞬で痛みが消えた。その時も根本的に原因が治った訳でないのは分かっている。だがそれでもいい、とりあえず今、この痛みを取って欲しい!もう何時間も痛みに耐えて体力が消耗しきっていた。

だが医師は言った。

「簡単に痛み止めを打つ事は出来ますが、それは根本的に原因を治す事にはなりませんから、おすすめしません」

分かっています!だけどもう耐えがたいのです!朦朧とさえするのです!

そう私は訴えたが、医師は

「それに痛み止めを打ってしまうと、胃腸の動きそのものも止めてしまうのです。だから胃腸にも良くない」

と言い、その後も薬と胃腸の関係をダラダラと説明してくれ、結局注射は出来ません、と言われてしまった。

そして胃カメラもその場ですぐに出来るはずもなく……。

一体ここまで何をしに来たのか……虚しくなった。

さらに、検査もしていないのに安易に薬は出せませんと言われ、結局薬もなし。

私は何も治療を受けず、そのまま手ぶらで帰る事になった。相変わらず胃腸が痛くて朦朧とするのに。
さすがにすぐに帰る気力がなく、私は待合で壁にもたれ掛かり目を閉じた。

それから1時間程経っただろうか。
繰り返す痛みが弱くなってきた事に気付いた。吐き気も収まってきた。

その後、運転して自宅に戻ったが、ゆっくりゆっくり痛みは引いていった。家に到着し、すぐに毛布に包まって眠った。
目覚めた時には痛みは消え、その後その痛みがくる事もなかった。

疲れた日だった。
不安な日だった。

この事で私は、老いて行く不安を実感した。体調が悪くなっても、自分で何とかしなくてはいけない。そして病院から帰宅してもその事を聞いてくれる家族はもういない。そんな日がくるのだと。


スポンサーリンク



* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 
にほんブログ村 ライフスタイルブログ 二人暮らしへ にほんブログ村 主婦日記ブログ ひきこもり主婦へ にほんブログ村 主婦日記ブログ 40代主婦へ
* * * * ご訪問ありがとうございました。 * * * * 

体・健康

痛み

2017/07/22 Sat 22:29

スポンサーリンク



お腹の痛みで目が覚めた。

時計を見たら朝8:30。

未だに朝が苦手な私は、仕事の日でない限り、昼前まで寝てしまう事が多い。深く眠っていなくても、カーテンを閉めて毛布の中で現実逃避する毎日。

だがこの日はその痛みのせいで、現実逃避する事が出来なかった。

私は海老のように毛布の中で丸まり、ジっと耐えた。夫は仕事でいない。
夏冷えしたのかもしれない。しばらく温めて眠れば治るかも。

そうして我慢しているうちに眠ってしまい、目覚めた時には本当に治っていた。

良かった。やはり少し冷えていたのだろう。
私はそう思い、昼食も普通に食べた。

その後は洗濯をしたり簡単に掃除をしたり。あとはネットをしながらダラダラ。

そして夕日が沈む頃、その痛みは再びきた。

痛い!朝のそれより更に強く痛い!


ソファで蹲っていたが収まる様子もなく、脂汗とめまい、吐き気がしてきた。
熱中症とかではない。リビングはエアコンを入れて快適温度で過ごしていた。

トイレで胃腸の中のものを排出すれば治るかもと、頑張って座ってみたが、全く何も出てくる気配がない。
それよりも今までに体験した事のない強い痛みで、手を握りしめて耐えたが、うぅっ!と唸り声が漏れてしまう程辛い。

夫に電話しようか?
咄嗟にそう思ったが、夫は仕事で、その上その日は出張で翌日まで戻らない予定だった。
電話してもどうしようもない。

救急車を呼ぶ?
次にそれを悩んだ。だがそこまで重症なのか?と自問自答。
そして何より、救急車が来た時の近所の人達の顔が目に浮かんだ。絶対に玄関から飛び出してきて、「何事!?」と大騒ぎになるだろう。その噂の中心となるなんて……気が重い。

私は自分で病院に行こうと思った。
大丈夫、頑張れば何とかなる。自分に言い聞かせた。



―――――――続きます。



スポンサーリンク



* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 
にほんブログ村 ライフスタイルブログ 二人暮らしへ にほんブログ村 主婦日記ブログ ひきこもり主婦へ にほんブログ村 主婦日記ブログ 40代主婦へ
* * * * ご訪問ありがとうございました。 * * * * 

体・健康

体に残る薬

2017/07/17 Mon 21:59

スポンサーリンク



―――――前回の続き。



彼女が夢中で私に話をしている途中から、もしかして私も誘われてしまうのではないかと嫌な予感がしていた。

ついつい彼女に合わせ相槌を打つからこうなってしまう。

私は「でも私お金がないし」と、準備していたセリフを言った。

「それがね、友達紹介の無料チケットがあるの。だから体験に行くのは無料なのよ。一度でもいいからころりさん、行ってみてよ。私も紹介割引があるので助かるし」

多分最後の言葉が彼女の本音。
そしてそこまで言われてしまうと断る理由が見つからない。

「一度行ってみて、嫌だったら遠慮なく断っていいんだし、ね?」と言われて、私は頷くしかなかった。


後日、私はそのエステに行った。予約は既に酒家さんが済ませてくれている。

自分には場違いな場所のような気がして落ち着かなかった。
若い頃ならまだしも、こんな年齢になってこんな場所にくるなんて、恥かしい。

そして脱毛を体験するというのも緊張して正直怖かった。
痛みがないと聞いていたが、本当だろうか?
強引に勧誘されたらどうしよう。うまく断れるだろうか……などなど最初から心配ばかり。

担当してくれたエステティシャンはとても明るく美しい人だった。こんな仕事がとても似合っている。

最初に脱毛に関する説明を受け、いざ体験を受ける前に簡単なカルテのようなものを書いた。

特別書きづらい項目はなかったが、一か所迷ったところがあった。

「薬の服用について」

現在服用している薬はあるか?という質問。

正直に書く必要があるのかな?脱毛に服用薬なんて関係ないんじゃない?無視しようか……迷ったが、結局書く事にした。

便秘薬、胃腸薬、貧血薬、安定剤、ビタミン剤。



少し……いやかなり?省略して書いた。そう、抗鬱剤とは書かず、安定剤と書いた。

こんな綺麗な場所で、綺麗な人の前で、抗鬱剤と書く勇気がなかった。
なぜか?うまく説明出来ない。ただこの場所では抗鬱剤を服用する人を理解してもらえないと思ったのだ。
理解してもらう必要はないというのに、私の劣等感がここで嘘をつかせた。

エステティシャンはカルテに目を通し言った。

「このお薬は全て必ず毎日服用していますか?」

「いいえ、時々です」

本当だ。抗鬱剤以外は。

「そう、それなら大丈夫です。ではこちらへ」と、エステを受ける部屋に移動した。

実際、私がとても緊張していたせいか、エステティシャンの女性に何度も「大丈夫ですか?」と声をかけられた。

思い返すと、一時期は美容室でも椅子を倒されるのが怖かった程不安症が強かった。それが今はどうしても必要な訳でもないのに、人付き合いの為にこんな場所でこんな処置を受けるなんて……自分でも驚き。少しは良くなったと思っていいのか。

肝心の脱毛の方は、全く痛くなかった。凄い。少し温かいと思った程度。これで本当に脱毛出来るのか?不思議。

ただ体験だった為に、足の一部分、10cm四方に光をあてただけなので、効果などはよく分からない。
だけど私にとっては未体験の経験だった為、とても刺激的な時間となった。

そして終わった後、やはりエステティシャンに契約を勧められた。
正直、想像以上に無痛だった為に、これで綺麗になるのならいいのかも……と思い始めた。

その時、目の前で説明を続けていたエステティシャンがある事を言った。
「お薬は一日前から服用しなければ大丈夫です。体に残るようなお薬はダメですけど、ころりさんは問題なさそうですし」

え?体に残る薬?その言葉に引っかかった。

「例えばどんな薬がダメなのですか?」と私が聞くと、

「そうですねぇ……以前お客様で、抗鬱剤を服用されている方がいてお断りした事があります」

まさに!その抗鬱剤を服用しています!とは言えず、驚きで言葉を失った。
迷う余地はない。私は無理なのだ。それにこの日も、本当はダメなのに嘘をついて体験をしてしまった。

急に恐ろしくなり、私はやはり経済的に無理そうだと適当な理由を言い、その店を飛び出た。
抗鬱剤がまさかこんな所で関係してくるなんて……。
帰宅してからネットで調べたが、やはりそうらしい。

薬を服用している事をもっと慎重に受け止めるべきだと感じた一日だった。


スポンサーリンク



* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 
にほんブログ村 ライフスタイルブログ 二人暮らしへ にほんブログ村 主婦日記ブログ ひきこもり主婦へ にほんブログ村 主婦日記ブログ 40代主婦へ
* * * * ご訪問ありがとうございました。 * * * * 

体・健康
 | HOME | Next »